2007年09月10日

ナイトクラブ

曲がりなりにも プロのギタリストになった僕ですが 微妙でした

収入的には 大学生のアルバイトとしては十分な収入であり キャバレー1件の仕事だけでも 大卒の初任給を上回るギャラが貰えますので 20歳の貧乏学生にとっては願ってもないバイトです
だけど ステージに上がれば 学生も社会人も関係ありません
腕前のほうは 耳が良くて曲を覚えるのが得意という以外 これと言った売り物がない僕は 噂に聞く地方のスーパーギタリスト連中に対抗するために 色んなスキルを身につけていかなければならない立場でした
だけど もともと練習嫌いな僕は 独学でギターを覚えたこともあり これからどうやって腕前を上げていけば 先行するスーパーギタリスト達に近づけるんだろう?
漠然とした不安や不満を抱えて ギターを弾き続けていました

昼間は大学生 夜はキャバレーのギタリストという2足の草鞋は 経済的に不安がない分 随分居心地の良いポジションでした
バンドの世界は 始終店やバンドを転々とするスタイルなので 横のつながりは驚くほど豊かです
大学関係でも 友人は沢山いますので 両方の交友関係から あるバンドを紹介して貰いました

彼らのバンドは クイーン と言って もともとディスコやダンスホール そしてたまにはロックライブ等で何度も目にしていました
今は仕事が切れて ナイトクラブの仕事だけをしていましたが このバンドのギタリストが実家に帰らなくてはならなくなり ギターを探しているとのことで 僕に白羽の矢が立ちました

コテコテのブリティッシュハードロックバンドで アマチュア時代の僕から見れば 雲の上の存在のバンドでした

紹介されて彼らに逢い 上手いロックバンドのギタリストになれるのかな?という不安は有りましたが 若い僕は不安よりも希望のほうが大きかったのでしょう
彼らのバンドに入ることになりました

とは言っても 想像していたような加入ではなく 彼らのバンドの方向転換で ギタリストが脱退し 彼らの方向性に合う僕が加入したということでした

つまりは リーダーの考えは 今後はロックバンドでは仕事を取るのが難しいので アダルト向けのコンボバンドに方向転換しようと言うもので 僕にとっても好都合な方向転換でした そして本格的なロックが出来ない僕にとっては 好都合ではあるけれど ロックギタリストを目指していた僕にとっては ちょっぴり残念な方向転換でもありました


当時の僕らの地方には バンドが入っているナイトクラブが常に10軒程度有りました

法律の関係で 深夜12時を過ぎると アルコール類の提供や生バンドの演奏は禁止されていた時代で どの店も非合法の営業をしていました

たまには警察の手入れも有り その際には 大事な楽器を抱えて 裏口から飛び出して逃げるという経験が数回有ります


バンドの世界では キャバレーやクラブ等の深夜12時までの仕事を「宵の口」と言い 12時から朝までの仕事を「ナイト」と言ってました

僕は 昼は大学 夜は宵の口 で数ヶ月を過ごしましたが ナイトの仕事をするようになり 必然的に帰宅は朝になりますので 大学へは行けなくなりました
大学2年生の僕は それ以降 卒業するまで 必須科目の体育や英語と試験の時だけ大学に行く生活になりました

非合法のナイトクラブは 5件ほどの有名店以外は いたるところで 出来ては消え出来ては消えを繰り返していました
ナイトクラブと言えば聞こえは良いのですが 客のほとんどは 仕事を終えたホステスと客で 時にはヤクザも顔を出します

僕たちは 軽いロックやポップスを中心に演奏をしながら 客の求めに応じて歌謡曲の歌の伴奏なども行ないます
こういうスタイルでは僕の独壇場で バンドマンになる前に半年ほど通い詰めたパチンコ屋のBGMと その後の短いバンドマン生活で 当時のヒット曲のほとんどを イントロからエンディングまでそれらしく弾くことが出来ました

現在ほどではありませんが 当時から知っている曲は キイを変えてもほとんどのキイで演奏できましたし メロディーさえ知っていれば コードは自動的に頭に浮かんでいました
こういうミュージシャンにはあまりお目にかかったことは無いので 僕はそういう点では特異な能力を持っていたようです

念願のロックミュージックと言うわけには行きませんでしたが リーダーの軽妙な喋りとボーカル そして割合纏まった演奏が好評で あるサパークラブから 宵の口の仕事のオファーが入りました

僕は宵の口はキャバレーのバンドがありますので このオファーを受けるためにはキャバレーのバンドを抜けなければなりません
どちらのバンドも楽しかったのですが 世代が近いナイトのバンドのほうに より多くの可能性を感じ 迷った末に キャバレーのバンドは脱退することにしました

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Posted by マルコ at 2007年09月12日 02:29
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