2007年10月18日

究極のアドリブ パット・マルティーノのサニー

パット・マルティーノ(Pat martino)のサニー(Sunny) アドリブ譜(Ad-lib)

30年ほど前にこの曲を聴いたときは 度肝を抜かれました
人間業とは思えないプレイ 曲想はコンテンポラリーで ジャズとは異質なものを感じたのですが それでも確実に凄いことをやってる
そんな確信めいたものはありましたので 早速コピーすることにしました
その当時は 音源はレコードで それをテープレコーダーにダビングして 行きつ戻りつの作業は難渋を極め 3〜4コーラスほどコピーして 断念しました
手書きの汚い譜面は 書いては消しての繰り返しで それでもコピーをした数コーラスは 今でも概ね覚えていますので やっぱりコピーと言う作業自体は 大変だけど血となり肉となる作業のようです

現在は 便利な機械も沢山あり 今回はメディアプレイヤーで 半分の速度でプレイバックして コピーを仕上げました

音源を聴いてみて下さい

ギターの後半のテーマと エンディングのルバーと部分以外は ほぼ完コピです
MIDIのソフトの関係で タイやスラーと細かい装飾音符は表現できませんが なかなか良く採れていると自画自賛です





コピーして改めて感じたことですが このアドリブは凄いです

コンセプトとアイデア エレキギターの特性を熟知したフィンガリング ジョージ・ベンソンとは対極の ギタージャズの一つの頂点を極めるアドリブだと感じます


ジョージ・ベンソンの場合は マルティーノよりも遥かな高みにあるアドリブだと思いますが コピーして得るものは少ないようです

一方 マルティーのアドリブ

彼のアドリブは スピードを落として弾いても それなりに素晴らしいアドリブになります
楽譜にしやすい 単純なフレージングなので エレキギター初心者でも 彼のアドリブラインをなぞることはそれ程難しいことでは有りませんし なぞりさえすればそれなりに格好良く聞こえますので 取り組む価値が非常に高い模範的な演奏です

何度も書いていますが ベンソンの音楽は そのノリとスピード感が命なので コピーしてそれをなぞっても 絶対にあの雰囲気は出ません もちろん大変勉強にはなるのですが 譜面で表現できない音楽ですから 譜面で表現出来ません

マルティーノの場合は ある程度譜面で表現できますし 聞いた感じ以上に オーソドックスな音使いとフレージングなので ジャズの栄養価は高いと申せましょう


ベンソンのアドリブ譜同様 販売していますので 興味のある方は覗いてみて下さい

http://music-sheets.seesaa.net/article/61226960.html


彼のコンセプトはマイナーコンバージョンと表現されていますが その意味が良く判る演奏です

彼の特色でもある連続フレーズも この1曲の中に4〜5パターン出てきます

後半のテーマの後ろに続くワンコードのアドリブでは エレキギターでモードを表現する重要なアイデアも隠されています
但しこの部分は MIDIでは全く表現出来ていませんので 是非 実際のCD等の音源を是非聴いて戴きたいと思います

コピーを終えて 改めて思いました

パット・マルティーノ やっぱり凄すぎる・・・


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2007年10月16日

サパークラブ

歓楽街のキャバレーの仕事は 音楽的には楽だったけど 先輩や年長者に囲まれ ショーのバック演奏もあり ある程度の緊張を強いられる仕事でした

歓楽街ですから 仕事場の行き帰りには素性の怪しい人たちとも目が会うし ホステスさんや酔客との絡みも皆無ではありません

今回新たな職場は 繁華街の片隅にひっそりとある 某サパークラブの仕事でした
喧騒から離れた安らぎと 幾ばくかの寂寥感を感じる職場でした


サパークラブって何なんでしょう

一般的には 美味しい料理 美味しい酒 そして眺望もしくはロケーションを売り物にする高級店で 音楽とダンスフロアーがあるものを サパークラブと称していたようです

ほんの30年ほど以前の話ですが よくこういう営業形態が成り立ったものだと驚きを隠せません
当時の僕等のギャラは 4人編成で40万円程度だったと思いますが 今の世の中 よほど特殊な客層で無い限り 普通のバンドに40万円のギャラを払って コストパフォーマンスが成り立つとは とても思えません 旧き良き時代のお話です


サパークラブの仕事は 6時過ぎに店に入り 客の到着を待ちます

多いときには10組ほどの客が入りますが ゼロの日も皆無では有りません
僕たちは 店にいる約5時間の間 ステージに3回ほど上がりますが 残された時間 することも無く 音楽や映画の話に興じ ポーカーなどをしながら気楽な時間を過ごしました

有り余る時間は 色んな妄想話の温床にもなります
同じメンバーが雁首を揃え 毎日暇を持て余していますので 話題は尽きないのですが それでも自然とネタも尽きてきます

このバンドのリーダーは ピアノとボーカル担当でしたが 音楽的にも人間的にも素敵な人で 色んなネタ話を仕入れてきてくれました
しばらく同じメンバーで 宵の口とナイトと掛け持ちしていましたが ナイトの仕事の契約が終わり 流石に疲れますので 一旦ナイトの仕事はやめようということにしましたが リーダーは既に所帯を持っていましたので彼だけは別のナイトの口を見つけていました

彼が行き始めたナイトの店のドラマーは 僕等の一回りくらい上の年齢の方で それはもう 凄いドラマーだ

話の発端はこういうものでした

リーダー曰く 
「凄いドラマーで 音楽の造詣が深く 彼が放つフォーバースなどは とても難しくて数えられない」

それを聞いたメンバーの僕たちは 目を丸くして
「ふむふむ なるほど 本当に?」
紅顔を火照らして そのまだ見ぬ凄腕ドラマーの話に聞き入ります

どうも話を聞く範囲では その方は 僕がまだ足を踏み入れていないジャズの世界の巨人のお一人のようで 近々僕たちのバンドを見に わざわざ職場のサパークラブに来て戴けるとのこと

さあ いよいよジャズの入り口に 僕も到達したようです

だけど 嫌だな 恥ずかしいな
そんな上手い人が僕のプレイを見たらどう思うんだろう?

今考えれば 「どうとも思わない!!!」 こんなはっきりしていることが 当時二十歳の僕には理解が出来ない
素晴らしい目と耳で僕のギターを聴いた巨人は 笑うのか 蔑むのか いずれにしても 無事に済む筈が無い
僕だけではなく 他のメンバーも 同じ事を感じている様子で 怖いもの見たさの好奇心と 自分の能力に対する劣等感と羞恥心に苛まれる姿 自信満々のリーダーと 迷える子羊状態の3人のメンバー

巨人と対面する前の数日間は 何だかくっきりと色分けされた 微妙な数日間でありました

巨人との対面の話はまた後日・・・



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ジョージ・ベンソン ステラのアドリブ

ジョージ・ベンソン 「ステラ バイ スターライト」

ジョージ・ベンソンのテンダリーというアルバムは 愛聴盤のひとつですが その2曲目に納められている「Stella by starlight」
以前に 2コーラスのみ このブログでもコピー譜を紹介しましたが 今回 ある方の依頼で フルコーラスのコピーを行ないましたので もう一度紹介します





僕には ベンソンのプレイに言及する能力も資格もありませんので 感想だけを述べるに留めたいと思いますが・・・

「アドリブって 本来はこうあるべきなんだな」 正直な感想です

ステラのコード進行は 本来難しいコード進行です
コピーをしていても コードとマッチしない音使いが随所に出てきます
西洋音楽式の 割合きちっとしたコード進行をバックに ベンソンはブルースを表現しています
それが心地良く 格好良く つまりは素晴らしい演奏でありアドリブです
エレキギターによるアドリブの最高峰の一つだと思います

僕はこんな演奏 こんなコピー譜を目にして 何をどう考えれば良いんだろう?

「細かくコードを分析し 細かくフレージングや音使いを検証し そこに何らかの法則性を見出していく」

最も 尤もらしく思える手法ですが こんな方法が何の役にも立たないことだけは断言できます

お前何を言ってるんだ!!それしか方法は無いじゃないか!

そんな声が耳元で響いていますが 違います
そんな方法では 良い音楽は出来ないんです それだけは断言できます
じゃあ どうやれば良いんだ?

それが判らないから 僕には格好良い演奏は出来ないんです
だけど それは僕だけじゃない 君も貴方も 彼等も 皆そうじゃないですか
やっぱり音楽って 頭で考えるものじゃ無いと思うんですよ

僕が感じたことは 概ね以下のようなものです

ベンソンは 元々僕よりも10倍くらい才能が有るんだろうな
ベンソンは 僕よりも10倍くらい練習したんだろうな
それよりも何よりも ベンソンは僕よりも10倍の音楽を聴き 10倍音楽を楽しんでるんだろうな

これが事実なら 見事に辻褄が合います

現実のベンソンのプレイと 僕のプレイを聴き比べた時の差は 丁度これくらいの差があります

10×10×10×10 これはいくつだっけ 10000ですね

ベンソンの音楽は 僕の1万倍素晴らしい ちょっと大袈裟かな?
だけど妥当な線だと思います

こんな検証したことありますか?

仮に 100万人の人間がジョージベンソンの音楽を聴いたとき
恐らく最低でも10万人は彼の音楽が素敵だと思うでしょう
僕の音楽を聴いた100万人は? 多分1000人くらいの人が 僕の音楽を素敵だと思ってくれることでしょう

100000÷1000=100

何と ベンソンは僕の10000倍ではなく たった100倍だけ 僕よりも素敵だという計算結果です

ベンソンのアドリブは ベンソンの音楽は 僕の想像の輪を広げてくれました


楽譜のブログで販売を開始致しましたので 興味がある方は覗いて下さい

http://music-sheets.seesaa.net/article/60932604.html




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